西田歯科では、ご自宅で寝たきりの方、歩くのが難しいといった方など、様々な理由で来院が困難な方のために、歯科医師や歯科衛生士が車で訪問する、訪問歯科診療を行っております。当院の訪問歯科診療は、半径16㎞以内の方が対象となります。詳しくは、一度当院までお問合せ下さい。
訪問診療について

訪問歯科診療は、口腔ケアや治療を通して歯やお口の中の健康だけでなく、全身的な健康のサポートを目的としています。しかし、厚生労働省の調査によると、歯科治療、口腔ケアが必要な要介護者は89.4%と約90%なのに対し、実際に歯科治療、口腔ケアをおこなった要介護者はわずか26.9%と半数にも満たない結果が出ています。※1 情報ネットワークを活用した行政・歯科医療機関・病院等の連携による要介護者口腔保健医療ケアシステムの開発に関する研究(2002年度厚生労働科学研究費補助金、長寿科学総合研究事業)
中にはご本人様と意思の疎通が取れないケースや、身体のことで手いっぱいであり、お口の中は諦めているというケースもあると思います。しかしながら、お口のケアをすることで全身的な機能回復や、疾病の予防につながることもございますので、まずは一度ご相談ください。
通院が困難でこのような症状がある方に
- 家族が寝たきりだが、お口のケアが十分にできない
- うまく噛めない、飲み込めていない
- ぐらぐらの歯がある
- 歯ぐきが腫れている、血がでている
- 入れ歯が合っていない
- 残っている歯が痛い
訪問歯科の診療内容
口腔ケア

お口の中はケア不足で細菌が増殖することにより、体の中に侵入して全身的な悪影響を及ぼしてしまう可能性もあります。そのようなことを防ぐため、例え総入れ歯で歯が生えていない状態でも、お口のケアは必要です。粘膜のお掃除や歯石の除去等、また、普段のお手入れについて分からないことや不安なことがありましたら、お口の専門家である私たちにお気軽にお尋ねください。
虫歯や歯周病の治療

訪問歯科診療では、往診用のポータブル診療機器を使用することにより、通常の歯科医院と同じように治療を行うことが可能です。痛い歯がある場合は放置せず、歯科医師にご相談ください。
入れ歯の調整や作製

痛い入れ歯を無理やり使う、入れ歯が合っていないまま使うと、噛みにくいことからよく噛まずに飲み込んでしまい、「消化不良で胃に負担がかかる」や「食べ物がのどに詰まる」などのトラブルにも繋がりかねません。入れ歯は調整を重ねることで使いやすくなることも多いため、お困りの方は遠慮なくお申し付けください。
訪問歯科診療の重要性
誤嚥性肺炎の予防

高齢者の死因として上位に入る疾患である誤嚥性肺炎は、食べかすやお口の中の細菌を誤嚥してしまうことで起きる肺炎です。特に体力の少ない高齢者の方にとっては、命に関わるケースも珍しくはありません。口腔ケアによる食べかすや細菌を取り除き清潔な環境を保つこと、可能であれば正しく飲み込める(嚥下)トレーニングが、誤嚥性肺炎の予防法です。
介護者の方の負担軽減

介護をされる方は、普段より肉体的・精神的にも負担が大きいことから、ご自身の口腔ケアが二の次になってしまうことが少なくありません。専門家の手を借りることで少しでも自分の時間をつくり負担を減らすこと、ご自身のケアを行うことも重要です。
QOLの向上

QOLとは、生活の質のことをいいます。「食べる」「会話する」「自立できる」などは、QOLに含まれる行為です。お口の中が不衛生で噛むことが難しい環境である場合、QOLの低下にも繋がってしまいます。しかし、訪問歯科診療による専門家の介入や日々のケアにより、お口が健康に保たれると、必然的に食事や会話の質が向上します。
また、脳は、噛むことで刺激が伝わる、血流がよくなるという研究結果が報告されています。歯と認知症の直接的な因果関係は報告されていないものの、噛むことで脳に刺激が与えられるということは、噛むことと認知機能に深い関わりがあるといってもよいでしょう。
寝たきりの方・通院困難な方がかかりやすい口腔疾患
カンジダ性口内炎

白色の苔状のものが粘膜に付着する、粘膜が発赤するなど、特に免疫力が低下したときに発症しやすい粘膜疾患です。「入れ歯を装着している」「唾液の分泌量、免疫力が低下している」「気管支喘息の吸引薬を使用している」といった方によく見られます。
義歯性口内炎
入れ歯を長期間装着したままの方、あっていない入れ歯を使用している方に現れます。また、入れ歯による口内炎や潰瘍がみられ、痛みを伴うことも珍しくはありません。適切な入れ歯管理、入れ歯の調整などで改善することが多いため、入れ歯が合わない等の症状がある場合には無理に使用せず、歯科医師にご相談下さい。
口腔乾燥による剥離上被膜
特に要介護高齢者のお口の中に生じるのは、乾燥による剥離上被膜です。これは継続した保湿ケアで改善・防止が可能あるため、お口の中の保湿を積極的に行うことが望ましいとされています。これにより、痛みや入れ歯による外傷の防止にもなります。
歯周病

高齢者の方が歯を失う原因のほとんどが、歯周病による抜歯です。また、近年では、歯周病と糖尿病などの全身疾患とも関係があると考えられています。治療は通常の歯周病治療と殆ど変わりませんが、セルフケアである歯磨きについては介助者の方のお力が必要になることも多くありますので、ご協力をお願いしております。
根面う触

根面う蝕とは、加齢などが原因で歯ぐきが下がることで露出した、「歯の根っこの部分に生じる虫歯」のことを言います。根面う蝕は歯ぐきが下がっていない若年層ではほとんど見られず、高齢者に多く頻発する特徴的な虫歯です。虫歯の活動が活発で治療が必要な場合には、通常の虫歯治療と同じように処置を行います。ただし、適切なセルフケアによって清潔に保たれていれば虫歯の進行が滞るため、状態によっては経過観察になることも少なくありません。
訪問歯科についてよくある質問
訪問歯科に年齢制限はありますか?
訪問歯科診療に年齢制限はありません。
そのため高齢者でなくとも、持病等で通院が難しい方でしたら年齢問わず可能です。ただし、ただ単に「交通手段がない」等のケースでは認められませんのでご注意ください。
医院から半径16㎞を超えているのですが、訪問歯科診療は可能でしょうか?
半径16㎞圏内であれば健康保険が適用されますが、超える場合には健康保険法により保険が適用できないため、自費治療となってしまいます。
訪問診療自体が無理ということではありませんが、費用面で患者さんの負担が大きくなってしまうため、適用圏内の訪問診療をお探しいただくことをお勧めいたします。
訪問歯科診療を申し込みたいのですが、どうすればよいですか
まずは一度当院までお問い合わせください。
その際に流れや詳細についてご説明いたしますので、ご安心ください。